米中貿易戦争は沈静化するのか

米国と中国の貿易摩擦は激化する一方です。ここでは、そもそも米中貿易摩擦とはなんなのか、今後はどのような展開を見せると予想できるか、等まとめていきます。

米中貿易戦争とは何か

 米国のドナルド・トランプ大統領は、「米中間の貿易不均衡問題」を2016年の選挙期間中から論点にあげていた。当選後の、2017年4月7日には、米国の対中貿易赤字削減に向けた「100日計画」策定に合意するなど歩み寄りの姿勢も見られた。同年7月16日に策定期限を迎えた「100日計画」については、結局うわべだけの歩み寄りに終わってしまった。

 結果、2018年からは米中の貿易に関する対立は激化することに。1月22日にセーフガードを発動。3月1日には鉄鋼製品等への関税を引き上げ。3月23日には更に追加で引き上げ。7月6日付で340億ドル相当の中国からの輸入品に対して関税を適用。8月23日に160億ドル、9月24日に2000億ドルの追加関税を適用した。

12月1日 G20で話し合われたこと

2018年12月1日、ブエノスアイレスで行われたG20。米中間においては、強制的な技術移転、知的財産権の保護、非関税障壁、サイバー攻撃、サービス・農業の5分野の構造改革について、交渉を直ちに開始し、今度は100日ではなく90日で合意することを目指すという結論となった。問題の先送りとはいえ、2019年1月1日に迫っていた更なる追加関税を回避できたことは成果であった。

米中貿易戦争は沈静化するのか

 米中貿易戦争の終結はあり得ない。貿易摩擦という利害の衝突は、簡単に治るものではなく、日米貿易摩擦でも1969年の日米繊維摩擦から始まり、1990年の最終報告書まで21年かかっている。ただし、終結までに定期的な沈静化があることは間違いないだろう。

 今回の「90日計画」については、まとまる可能性が高いのではないだろうか。なぜなら、習近平肝いりであり絶対に譲れないであろう「中国製造2025」への妥協に対するリークが出てきているからである。

「中国製造2025」を政府修正、一部の目標達成延期を検討

事情に詳しい関係者2人が匿名を条件に語ったところによれば、中国政府は「中国製造2025」と称した戦略の一部について、達成目標を10年延期し、2035年をめどとする可能性がある。ロボット工学や航空宇宙、再生可能エネルギーなどの分野での前進を目指す同戦略をトランプ米政権は対中貿易戦争で主な標的の1つとしている。

 もしも一時的にでもこの問題が沈静化するのであれば、2018年336兆円が失われたと言われている中国株式市場に注目する価値はありそうだ。